河川調査
構造物周辺堤防の緩み調査事例
一般に樋門等の堤防を横断する構造物の周辺では、基礎地盤の沈下による抜けあがりや、周辺土層との変形性の違いなどから、緩み、空洞化が生じやすいとされています。
以下に述べるのは、樋門の周辺の堤防の緩み具合を調べるために、オランダ式二重管コーン貫入試験を実施した事例です。
本樋門における試験では、躯体周辺で広くqc値0.5MN/m2以下の領域が確認されました。全体に不同沈下に起因した緩みが発生していると考えられます。
特に川表側および川裏側の函体側面ではqc値0.5MN/m2以下が主体となっており、緩みが顕著でした。
また、川裏側の函体側面では一部の区間で、試験時に内管が自沈する箇所があり、空洞化が発生していることが判明しました。
調査の結果、緩みの範囲、程度を把握でき、地盤の現況の評価およびその後の対策工の設計に有効なデータを得ることができました。


河川堰の移設による影響解析事例
ある1級河川で2箇所の河川堰を1箇所に統合・移設する工事が実施されました。
周辺地域には沖積・洪積砂礫層が良好な帯水層を形成し、地下水の利用が盛んに行われています。
このことから、堰の移設とそれに伴う河床掘削工事が、少なからず地下水環境に影響を及ぼすことが予想されていました。
しかし、実際に掘削工事が開始されると想定以上の広い範囲で利水に支障をきたすような地下水位低下が発生してしまいました。
この影響範囲を浸透流解析によって再現し、将来も影響が残る範囲を定めました。


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